エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「葉山さん。ご主人と交際してしまったことは今も申し訳なく思っています。ですが、私は本当に知らなかったんです。妻子がいると教えてくれたなら、お付き合いしませんでした。葉山さんが奥様だと知ったのは、雑誌社から記事の掲載を知らせるFAXが事務所に送られて、マネージャーさんに事実確認された時です」

葉山が手荒に資料を閉じたので、詩織はビクッと肩を揺らした。
厳しい言葉を浴びせられるかと思いきや、彼女は天井に向けて息を吐き、静かな声で詩織に話す。

「浅木さんのキャリアは二年だったかしら。私たちが夫婦であることを知らないのもあり得るわね。それは信じましょう」

そう言った後に、また瞳に険しさを取り戻す。

「それでも腑に落ちないことはあるのよ。なぜ、うちの夫に騙されていたと主張しなかったの? あなたの所属事務所に言えばいいじゃない。そうすれば、あなたを守ってくれたのに」

詩織の胸に痛みが走る。
小関に騙されたと知った時もショックだったが、その後の所属事務所の対応の方に、詩織はより深く傷つけられた。

その時の痛みはまだ少しも癒えていない。
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