エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
詩織には難解な話である。
ここでの仕事は、書き方を教わりながらの簡単な書類作成と、お茶出し、掃除しかしていない。
(法律ってすごく難しい。お役に立てるよう勉強しないと。でも、なにをどう勉強していいのか、それさえわからない……)
矢城が客の質問に答え、赤沼はノートパソコンに相談内容を打ち込んでいる。
この場にいてもなにもできない詩織は、会釈して退室する。
その際に、部屋の奥にある衝立(ついたて)が目に入った。
衝立が隠しているのは折り畳み式のベッドで、毎晩、詩織が使っている。
拾われた日に、矢城にこう言われたからだ。
『二階はアパートで俺が大家なんだけど、今は満室。一階の隣の部屋は俺が使ってるし、ここしか空き部屋はない。住みにくいだろうが、勘弁な。家賃はいらないよ』
『ここは相談室なんですよね? 仕事で使えなくなってもいいんですか?』
『今後も使うよ。客を入れるときはベッドをたたんで隠しとけば大丈夫だろ』
『そ、そうなんですか……』
この一週間でわかったのは、矢城はよく言えばおおらかで、悪く言えば大雑把な性格をしていることだ。
ここでの仕事は、書き方を教わりながらの簡単な書類作成と、お茶出し、掃除しかしていない。
(法律ってすごく難しい。お役に立てるよう勉強しないと。でも、なにをどう勉強していいのか、それさえわからない……)
矢城が客の質問に答え、赤沼はノートパソコンに相談内容を打ち込んでいる。
この場にいてもなにもできない詩織は、会釈して退室する。
その際に、部屋の奥にある衝立(ついたて)が目に入った。
衝立が隠しているのは折り畳み式のベッドで、毎晩、詩織が使っている。
拾われた日に、矢城にこう言われたからだ。
『二階はアパートで俺が大家なんだけど、今は満室。一階の隣の部屋は俺が使ってるし、ここしか空き部屋はない。住みにくいだろうが、勘弁な。家賃はいらないよ』
『ここは相談室なんですよね? 仕事で使えなくなってもいいんですか?』
『今後も使うよ。客を入れるときはベッドをたたんで隠しとけば大丈夫だろ』
『そ、そうなんですか……』
この一週間でわかったのは、矢城はよく言えばおおらかで、悪く言えば大雑把な性格をしていることだ。