エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
それから視線を天井に向けてなにかを思い出している様子だ。

「確かに俺はモテる。子供と男と訪問販売の人たちと、散歩中の犬にもな。この前、依頼人のところに向かう途中で中型犬が寄ってきたんだ。俺の足にしがみついたと思ったら、腰振りだして。雌犬に見えたのか? おかげでスラックスを買うはめになった」

矢城は相手が困っていそうなら、なんでも買ってあげるから、訪問販売の人にモテるのは知っていた。
けれども犬にまでとは恐れ入る。

皆がどっと笑い、矢城が頭を掻いている。
しかし矢城も楽しげに笑ったかと思ったら、湯気越しに詩織を見つめてニヤリとした。

「思いついた。詩織ちゃんに膝枕を頼もうか。本当は抱き枕の方がいいんだが――」

すかさず美緒が矢城の言葉を遮る。

「先生、枕が合わないの? それなら美緒が枕になってあげる。お腹は柔らかいから寝れると思うよ」

なんの躊躇もなくお腹を見せようとしている美緒を細貝が慌てて止め、赤沼が矢城を叱った。

「浅木さんに対してそういうからかい方はしないでくださいと、何度も言ってるじゃないですか。欲求不満なら僕に頼んでください。先生を満足させる自信があります」
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