本能で恋をする～after story～

｢海斗…もういいよ。帰ろ……？こんな怖い海斗、嫌……｣
普段俺は凛音の前で声をあらげることをしない。
だからかなり怖いのだろう。

｢ごめん…凛音。
もう無理なんだ。俺は許すことできない。
一度はなんとか我慢する。でも二度はないんだ…｣
｢海斗……お願い…｣
俺は凛音に微笑み、頭を撫でた。
そして、スマホを取り出し――――

｢あっ、一平さん？
この前言ってたやつ、お願いしたいんだ。
――うん。―――うん。じゃあ待ってる｣
｢海斗？なにするの？変なことしないでね…｣
俺は微笑むだけ。

数分後……
｢海斗｣
｢うん。なな、行けよ！｣

｢え？どうするの？海斗？一平さん？
嫌、お願い…｣
｢大丈夫だよ…凛音ちゃん。別に犯罪を犯す訳じゃない｣

｢海斗…どうしてなの？｣
ななが口を開く。
｢あ？｣
｢どうして、その女…いや、凛音さんなの？確かに可愛いけど、それだけじゃない！28にもなって、泣き虫だし
弱いし！｣

｢運命としか言えない。俺にもわからない。
凛音のことしか頭にない。何をしてても凛音しか浮かばない。いつも凛音が俺の世界の中心にいて、凛音の苦しい時、楽しい時全部傍にいて、一緒に同じ様に感じたい。
凛音を想って涙が出る時もある。それに、凛音は泣き虫だけど、弱くない！凛音がみんなに好かれるのは、凛音の優しさと強さが周りのみんなの心を、捕らえるんだ｣

｢そう｣

それだけ言ってななは、車に乗って行った。