本能で恋をする~after story~
べったりくっついて、離れない俺を凛音は“大丈夫だよ”と何度もいいながら、慰めてくれた。
凛音の涙を見たかっただけなのに、俺の方が泣きそうだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「そう言えばあの時の男って、誰だったの?」

気分が落ち着き、冷静になった俺はフッと思い立ち聞いてみた。
そう言えば、あの時も聞いてなかったな。

「あの時って?私が怪我した時?」
「うん、そう」
「えーと、確か。
あの時は海斗と喧嘩して、頭冷やそうと外に出て、きみちゃんも、叶斗くんもみんな忙しくて相手して貰えなかったから、一人カラオケしようと駅に向かってたの。
そしたら、あの時の男の人に急に話しかけられたから、びっくりして、怖くて…走って逃げちゃったの。
でもね、私がいつの間にかスマホ落としてて、拾ってくれてたの。それを渡すために声かけてくれたのに、勘違いしちゃって!
無我夢中で逃げたから、全然足元見えてなくて……
それで、階段を踏み外したの」

「それで、助けてくれたってこと?」
「うん、そうだよ」
「それだけ?」
「うん。それだけって?」

「他に、何か言われなかった?凛音可愛いから、すぐ男に目を付けられるし」
「え、あ、うん。何も?」

何か言われたな、この反応。
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