本能で恋をする~after story~
*****叶斗 side*****
「凛音……ちゃん?」
凛音ちゃんが震えながら、僕の服を握っていた。
「どうしたの?
とにかく海斗に連絡して、来てもらおうね」
それがいいだろう。今すぐ抱き締めて、不安を取り除いてあげたいが、僕ではきっと役不足だ。
それができるのは、海斗しかいない。


「それはダメ!!!」
「え?どうして…?海斗と喧嘩した?」
首を横に振る凛音ちゃん。

こんなに震える程不安なはずなのに、海斗に言えないとはどうゆうことなのだろう。

海斗と凛音ちゃんには、僕等にはわからない、二人だけの世界がある。
だからこそ、二人で楽しいことも、苦しいことも、分け合い乗り越えてきたのだ。

「じゃあ、僕に聞かせて!
大丈夫。海斗には言わないから。
どっちにしても、ここまま部屋に帰っても海斗は無理矢理聞き出すと思うよ」

こんなに震えてる凛音ちゃんを見て、海斗がほっておく訳がない。
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