本能で恋をする~after story~
真っ暗な海。
闇の入口のようなその空間に、凛音はいた―――――


そのあまりの苦しく、辛い光景に全員立ち尽くした。


俺は一人、凛音の方に向かう。


バシャバシャバシャッ―――

俺も海に入り、凛音のところへ。
「凛音…もうやめよう。大丈夫だから………」
後ろから抱き締め、呟く。


「嫌!!!!」
凛音が俺を引き離し、また指輪を探し出す。




もうやめてくれ………こんな凛音は見たくない………






「凛音!!!!もうやめろ!!お願いだから!!
また、買ってあげるから!!!!」


「イヤ!!!!あれは私の大切な―――――」


こんな凛音を、見たことがない。


頼む!!もうやめてくれ!!


とにかくこんな凛音を見たくなくて、力の限り抱き締めた。
凛音の身体は、完全に冷えきっていて、もしかしたら皮膚感覚もなくなってるかもしれない。


「海斗離して!!絶対見つけるから!!」
「そんなものより、凛音の方が大事だ!!」
「そんなものって何?あれは、あの指輪は海斗が私だけの為にデザインしてくれた、世界でたった一つの指輪なんだよ!」

「でも、こんな広い海で見つかる訳ないだろ!!!
頼むからもう、やめてくれ!
こんな凛音、見たくない――」

このままでは、凛音が死んでしまうのではないか………
そう思う程の、辛い痛みがそこにあった。
そこまで言うと、電池の切れたロボットの様に凛音が力尽きた。
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