都合のいい女になるはずが溺愛されてます
……どうするって、その答えを私に委ねるの?
佐久間はいつもそう、突拍子もないことを言って私を困らせる。


「ど、どうしましょう」

「ははっ、俺が聞いてるんだけど」


動揺を隠せるはずがなくて恐る恐る佐久間の目を見る。
佐久間は何も言わず私の目をしばらく見つめる。

この沈黙に私は何を期待しているんだろう。


「俺、何言ってんだろうね。だいぶ酔ってるわ。もう寝よ」


だけど撫でる手を止めた佐久間の口からは期待外れの言葉が出る。
期待外れ、と思うなら理想の回答をすればよかった。
後悔先に立たず。分かっているのに言えなかった。

だって勢いで『じゃあ付き合って』と言ったところで果たして幸せになれる?
今の佐久間ならきっと拒むことはしない。
だけど佐久間の愛着と私の恋慕は違う。

愛情の天秤は釣り合わなければ意味がない。
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