都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「……信じられない」

「ん?」

「悔しいけどおいしい」

「なんで悔しいの」


佐久間の作った料理は絶品だった。
顔がいいくせして料理もできるなんて悔しい。

こうやっていろんな女を落としてきたんだろうな。
クズだと思うけどとりあえずこいつの魅力は分かった。


「体調どう?」

「昨日よりだいぶ楽です。ありがとうございました」

「そっか、ならこれ食ったら俺もう帰る」


突然帰ると宣言した佐久間。
別にいつ帰っても構わないのに、一瞬言葉に詰まった。


「そうですか、分かりました」


すぐ返事できなかったのは、さみしいと思ってる自分に気がついたから。
絆されてるってこと?ありえない。

そう思ったら余計悔しくなって、佐久間が作った料理を一刻も早く胃の中にしまい込みたくなった。
< 30 / 263 >

この作品をシェア

pagetop