1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


海斗はゆっくりとおでこに手をあてると菜々美は目をあけた

「あっ、おはよう、昨日はありがとう」

「ん、全然」

菜々美は体を起こした

「何でエプロン着けてんの?動いたらだめじゃん?」

「朝御飯を食べさせて……」

まあ、夜は健に言ったけど子供は朝は難しいか琴ちゃんは着替えや髪の毛にもまだ手が必要だしな

菜々美の頭を撫でてフッと笑う

しゃがんで足首にそっと手を置いた

腫れもひいてないし、熱もおびてるな


「成田、病院に行こう、どこか行ってる整形外科はある?」

「ないけど」

「じゃあ、俺の知ってる所に行くからそこでいい?」

「うん、支度してくる」

「タクシー呼ぶから住所教えて」

「はい」

菜々美は海斗に住所を言い台所で支度をした


2人は海斗が通っていた整形外科で順番を待つ


「昨日は寝れた?」

「あんまり……痛かった(笑)」

「海斗くんの怪我は何だったの?」

「俺はサッカーの試合で靭帯を痛めた」

話していると菜々美の名前が呼ばれ海斗も一緒についていく

「先生、お久しぶりです」

「あー、元気かね、新谷君の友達かい?」

「はい」

「ヒビが入ってるね、固定するから3週間後にまた来て」

「ヒビ……わかりました」


菜々美は処置室に連れていかれた

出てくるとがっちり固定されていた

「目立つよね、朝香に悪いな(笑)」

「仕方ないよ、早く治る方がいいんだから」

会計を済ませて病院から出た

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