1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「海斗!」

2人が振り返ると剣也が立っていた

「病院から出てくるなんて足がまた?」

「俺じゃないよ、同じクラスの成田さん」

剣也が菜々美を見た

菜々美は頭を軽く下げる

「あっ、この前に海斗と一緒に教室に戻ってきた子」

「よく覚えてんな(笑)」

「可愛い子は覚えてる、名前は?」

「だから成田……」

「下の名前だよ」

「菜々美です」

「菜々美ちゃん!可愛い名前だね
俺は森田剣也、よろしくね」

菜々美の手を握って握手をする

「怪我したの?大丈夫?」

「ありがとう、大丈夫」

「大丈夫じゃないだろ?(笑)」

「でも、固定してもらったから歩けるし」

帰るかと海斗に言われ、タクシーを呼ぶなと話してたら剣也が誘ってきた

「ねえ、奢るからさ、昼御飯を食べに行こうよ」

「もう、昼か……奢りだから行くか?」

「えっ、いいよ、2人で行ってきなよ
帰るだけだから私1人でも大丈夫」

「菜々美ちゃん、行こうよ
みんなで食べた方が楽しいじゃん?」

「でも……」

「行こうか……
帰っても自分で飯作るだろ?
せっかくなんだし1回さぼろ(笑)」



いつも頑張ってるんだし、動かない方がいいんだからさ

友達と飯食いに行くのも楽しいぞ



海斗くんは剣也くんに聞こえないように誘ってくれた

菜々美は頷いた

「剣也、成田の足を考えて、近いとこなら
行ってもいいぞ」

「やったー、退屈してたんだー
すぐそこの店に入ろ
菜々美ちゃん、ゆっくり歩いてね」


「ありがとう」

店の前に階段があった

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