1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「腕に掴まっていいよ」

海斗は菜々美の横で腕を出した

「じゃあ、階段だけ甘えるね(笑)」

剣也が先に席をとってくれた

こっち、こっちと呼んで3人でテーブルに座った

「海斗ってね、なんだかんだ言ってつきあってくれるから好き!
菜々美ちゃんもそう思うよね?」

「あっ、うん、そう思うよ
いつも迷惑かけてる」

「迷惑じゃねぇって言ってんだろ
迷惑は剣也の方がだいぶかけられてるから気にするな
それと、剣也、好きとか軽く言うなよ
ただでさえこの間抱きつかれて誤解されたし」


「えー」

剣也くんは少し髪色が違う

染めてるの?って聞いたらハーフだと言っていた
だから抱きついたりフレンドリーなのだそうだ

見てると子犬みたいだ

「海斗はね、俺から見てもかっこいいし、中学の時もサッカー部のキャプテンしてたんだよ
今も委員長してて…男から見ても惚れるよね」

ニコニコしながら海斗の事を話す

「キャプテンしてたんだね」

「してた…こいつの後始末ばっかだよ(笑)」

「どんな悪いことしてたの?」

「してない、してない」

両手を振って否定する


「はぁ、自覚がないんだもんなぁ……1番多いのは女がらみ」

「だって…寄ってくるんだもん」

「森田くんが何もしてないなら仕方ないね
文化の違いかな(笑)」

「だよねー、菜々美ちゃんはわかってくれる」

「だめだよ、甘やかしたら…チャラチャラ言ってるから本人が何もしてないようでも誤解されるんだから
実際したこともなくはないけど」

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