身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
『心配か?』

「もちろんよ。エディのことを聞かされて、いても立ってもいられなくて……私には何もできないことが、すごく悔しい」


彼は未だに見つかっていないのだろうか?心配で心配でたまらない。

思わずこぼれた涙を、狼がペロリと舐めてくる。なんだか、慰めてくれてるみたい。



『心配かけたな』

「え?」


狼の言葉を理解する前に、ベッドに横たわる大きな体が、みるみるとその姿を変えていく。



「なっ!?………エディ!?」


現れたのは、エディ本人だった。

驚きよりなにより、生きてる彼に安堵して、思わず抱きついていた。

なんで?どういうこと?なんて疑問とか、怖いなんて感情は、不思議と一切湧いてこない。


「無事で、よかった……」



「俺の可愛い婚約者は、なかなか積極的だな」



〝もう、なにを言ってるのよ〟と言いかけて、目を見開いた。


「き、きゃっ……」

上げかけた悲鳴を、その大きな手に塞がれた。

「静かに」






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