身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「サーヤの歌声には、不思議な力が宿っている」

「力?」

「そうだ。癒しの力……とでも言うのか。
だから、サーヤが歌えばそれに惹きつけられるように、動物達が集まってくる。
はじめて狼の姿を見せた時、俺もその歌声に惹きつけられたんだ」

私の歌声に?
そんな力があるだなんて、信じられなんだけど……

「サンザラの護衛なんて、すっかり眠りこけてたしな」

確かに、ランチ時のレスターは、いつも目を閉じていたようだけど……


「動物達には、サーヤの歌の力に直感的に気が付いていたんだな。だから、怪我を負った俺が森にいることに気が付いた時、サーヤを連れてきた。
その歌声を聴いた途端、徐々に痛みが引いていくのがわかった。で、今はもう、すっかり古傷になっている」

「本当に、私の歌で?」

「ああ、本当だ」

実際に彼がそう言う以上、事実なのだろう。エディは嘘を言わないと、この数日の付き合いでわかっている。





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