身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
次に目が覚めた時、真っ先に視界に飛び込んできたのは、優しい笑みを浮かべたエディだった。
私よりも先に目が覚めていたエディは、私の髪をいじったり、至るところに鼻を擦り付けたりと、ずいぶん楽しく過ごしていたようで、機嫌の良さが、全身から滲み出ているのがわかる。

彼が今、もし狼の姿たったとしたら、間違いなくしっぽをブンブンと振り回していたと思う。怒られるだろうから、絶対に言わないけど。


「おはよう、サーヤ」

蕩けるような笑みが眩しくて、思わず目を細める。

「お、おはよう、エディ」

私が応えると、いつものように鼻と鼻を擦り合わせてくる。仕上げにとでもいうように、鼻の先端にカプリと噛み付いた。
この行為には、もうなにも返すまい。
機嫌の良い彼の、やりたいようにさせていた。


「サーヤは今日も、勉強だな」

「たぶん……」

はあ……とため息を吐くと、クスッと笑われてしまう。

「頑張れよ」

髪に口付けをすると、ポンっと頭に手を乗せてから、エディは私室へ入っていった。





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