身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「……そうね。そうなるよう、今のうちからさらに仲を深めておくわ」

「あっ、でも、もちろん関係は持たないでくださいね。初夜まで気を付けてくださいね」


ついにはデリカシーもなくなったのか……
婚儀の夜が初夜だ。その日に私とソフィア様は入れ替わるのだから、エディと初夜を迎えるのは、本物のソフィア王女。 

エディは生涯一人の女性しか愛せないと言っていた。その時が来れば、自ずと覚悟するんじゃないかな。だって、彼にも立場があるから。
きっとソフィア王女は、一生あの腕の中でエディの愛に包まれながら、幸せに暮らすのだろう。

「あたりまえよ。そんなの、エディだって承知してるから。彼は、結婚前に手を出そうなんて人じゃないよ」

苛立ちを覚えるも、なんとか落ち着けた。

「それから、朝のルーティーンのようなものがあるの」

「ルーティーン、ですか?」

ひたすら私の発言をメモしながら、真剣に耳を傾けるダーラ。そういえば、私の勉強にはメモなんて一切与えられなかった。無駄だと思われていたんだろうなあ。

本心では、2人のやりとりなんて他人に教えたくもない。


でも、もういいや。
なにもかも、この人達にあげるって決めたから。


「ええ。朝目が覚めて挨拶を交わした後、彼はお互いの鼻を擦り合わせて、最後に私の鼻を甘噛みするの」

「あ、甘噛み……ですか……」

「そうよ」

一瞬、ダーラが眉をひそめた。
そりゃそうだよね。鼻を擦り合わせるまでならともかく、さらに甘噛みするなんて、甘いやりとりと言えるのかって思えてしまう。
ソフィア王女にはやめてもらうよう、進言してしまうかもしれない。



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