身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています
「獣人に馴染みのない私達には、少々怖くもありますが……その生活様式は、私達となんら変わりありませんし、野蛮であるとか、そんなこともないと聞きます。
獣人と人間が婚姻関係を結ぶのも、他国ではあたりまえらしいので、問題はないのですが……」


口では獣人の存在を認め、共存と普通だと言っているのに、本心ではそう思っていないことがありありと伝わってくる。本当、サンザラの人は、良くも悪くも素直すぎる。


「エディは、野蛮なこともしないし、とてもよくしてくれる優しい人だよ」

そこだけはわかって欲しい。エディのことを、変な先入観で見て欲しくない。


「も、もちろん、わかっています。さや香様の様子を見ていればなおのこと。
ただ……以前、さや香様の首元に噛み跡があったことは……」


もちろん、覚えているよね……そこはさすがに、気になってしまうと思う。


「あ、あれはね、じゃれ合いの延長よ。あの人は本当にひどいことは、絶対にしないから。でなぎゃ、私、こんなふうに普通でいられないでしょ?」

「まあ……そうですね」

〝一応、報告だけは上げないと……〟なんて、小声で呟くダーラに、こっそりため息を吐いた。




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