Be My Valentine.


その優しさが向けられる相手に嫉妬して思わずため息がこぼれる。



「バレンタインってさ、英語だとバレンタインの贈り物をあげる相手とか、恋人って意味にもなるんだってさ。」

「へぇ、先生物知りじゃん。」



私は嫉妬を胸のうちにおさめて息を吐く。



「ねえ、先生。私のチョコ、受け取ってくれない?」

「...斎藤は、それでいいのか?」

「うん、いいの。それがいい。」



これが先生のために作ったものだと伝わらなくても、先生に渡せるのならそれでいい。

私が先生に近づいて袋を先生の前に差し出す。

先生はゆっくり袋に手を伸ばしかけ、私の顔を見上げた。



先生の目が私の目を離さない。



「俺の好きな人はさ。

笑顔が可愛くて、いつも一生懸命で、素直な子なんだ。」



...なんで、今そんな話するの。



「でも、真っ直ぐすぎるし、ツンデレもツンが強すぎるし、すげぇ鈍感だし、そいつの気持ちはもうバレバレなんだよ。」

「先生、惚気はやめて。」



私の心の傷をえぐらないで。

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