潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
三枝部長という名前の横に23件という文字。

「ストーカー並みじゃね?」
「ストーカーが、どんな粘着具合かは知りませんけど、部長はきっと里崎さんのことを思って電話してたんですよ。2泊って言ってましたし」

「しかも、泊まりかよ……。やだなー、行きたくないっ」
「そんな、子供みたいなこと言わずに連絡してくださいね」

里崎は、しぶしぶ目の前の受話器を取り電話をかけたのを確認して席をたつ。
電話が終わったのを見計らって、紙カップを手渡した。

「サンキュ」と言った里崎は、舞が持ってきたコーヒーを口に含む。

「泊まりで、京都だってさ。部長は先に行くらしいから、俺はロッカーに常備してるシャツと、途中で下着とか買って合流するつもり。あぁー、月曜から二泊三日で出張とか、マジでついてない」
「大変ですね。なんかトラブルとかですか?」

「得意先の発注の件で、ゴタゴタしてるみたいでさー。でも、結城ちゃんが俺のためにコーヒーを淹れてくれたし、頑張ってくるわ」

里崎さんが駆けつけるまで、部長1人で対応をしないといけないのか、大変だ。
なんでも完璧にこなす部長なら大丈夫と思う反面、はやくフォローを出来る体制にしてあげたいとも思う。

「はい。頑張ってきてくださいね。早く行ってあげてください、きっと里崎さんの到着を待ってると思いますよ。私も、フォローできる体制でいますので、何かあれば電話くださいね」
「うわー、結城ちゃんがペアで良かった。すげー、心強い。ねぇ、京都土産なにがいい?」

「そんな気遣い無用ですよ。ほら、早く行ってくださいって」

名残惜しそうに里崎は、京都出張へと旅立って行った。
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