潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
「約束していた掃除ですけど……」
売り言葉に買い言葉で告げた「掃除する」という約束。
もうずいぶん綺麗になったし、そろそろ舞のお役目も終わりだろう。
それに、譲も自分で少しは掃除出来るようになった。
最初のような酷い有り様になることはないだろうな、と舞は感じていた。
「どうした?」と、首を傾げながら訊ねられる。
お湯を止めた舞は、手を拭いて譲の前に立つ。
「そろそろ終わりかな、って思ってたんですけど」
「は?」
譲は、目を見開き固まっている。
「えっと、もう綺麗になりましたし、最近は3時間も掃除に時間かからないんです」
最初は、3時間みっちり掃除をしていたが、それでも時間が足りないくらいだった。
けれど、毎週通うようになり、譲も協力的だったから1時間もすれば目処が立って、あとは時間を持て余すことも多かった。
もう私の役目は終わりだと思い始めていた。
「ちょ、待てよ。この快適な暮らしが維持出来なくなるって」
「大丈夫ですよ。だって、今が快適だって思ってるなら、この生活維持しようって思いますし。それに、最初はこの汚部屋を片付ける、あ、すみません。散らかってる部屋をどうにかしなくちゃって思ってただけなんで」
「もうその価値もないってことか?」
「はい?」
「金払うから、今まで通りはダメなの? 結城さんに掃除してもらってから、仕事の調子もいいんだよ。集中出来るって言うかさ、なんなら時間短くしてもいいし」
「うちの会社、副業禁止されてるので」
これ以上馴れ合ってしまって、ある日急に譲から契約終了を切り出されてしまったら喪失感は計り知れないだろう。
楽しかったから余計に。
それなら、いっそ自分から終わらせたい。
今ならまだ何も始まっていないからーー
「ほら、せっかく綺麗になったんですし、女の子も呼べますよ。その子が今度は譲さんの部屋を綺麗にしてくれますから」
「だから、そういうの面倒なんだって」
あ、そうだった。
彼女も面倒だっていってたな、と初めて会った時を思い出す。
期待していたわけではないけれど、この先どんな未来が待っていようとしても舞と譲は交わることはない。
永遠に、だ。
売り言葉に買い言葉で告げた「掃除する」という約束。
もうずいぶん綺麗になったし、そろそろ舞のお役目も終わりだろう。
それに、譲も自分で少しは掃除出来るようになった。
最初のような酷い有り様になることはないだろうな、と舞は感じていた。
「どうした?」と、首を傾げながら訊ねられる。
お湯を止めた舞は、手を拭いて譲の前に立つ。
「そろそろ終わりかな、って思ってたんですけど」
「は?」
譲は、目を見開き固まっている。
「えっと、もう綺麗になりましたし、最近は3時間も掃除に時間かからないんです」
最初は、3時間みっちり掃除をしていたが、それでも時間が足りないくらいだった。
けれど、毎週通うようになり、譲も協力的だったから1時間もすれば目処が立って、あとは時間を持て余すことも多かった。
もう私の役目は終わりだと思い始めていた。
「ちょ、待てよ。この快適な暮らしが維持出来なくなるって」
「大丈夫ですよ。だって、今が快適だって思ってるなら、この生活維持しようって思いますし。それに、最初はこの汚部屋を片付ける、あ、すみません。散らかってる部屋をどうにかしなくちゃって思ってただけなんで」
「もうその価値もないってことか?」
「はい?」
「金払うから、今まで通りはダメなの? 結城さんに掃除してもらってから、仕事の調子もいいんだよ。集中出来るって言うかさ、なんなら時間短くしてもいいし」
「うちの会社、副業禁止されてるので」
これ以上馴れ合ってしまって、ある日急に譲から契約終了を切り出されてしまったら喪失感は計り知れないだろう。
楽しかったから余計に。
それなら、いっそ自分から終わらせたい。
今ならまだ何も始まっていないからーー
「ほら、せっかく綺麗になったんですし、女の子も呼べますよ。その子が今度は譲さんの部屋を綺麗にしてくれますから」
「だから、そういうの面倒なんだって」
あ、そうだった。
彼女も面倒だっていってたな、と初めて会った時を思い出す。
期待していたわけではないけれど、この先どんな未来が待っていようとしても舞と譲は交わることはない。
永遠に、だ。