潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
「もう、この話はやめましょ。じゃあ、ラスト1回。来週、これでもかってくらい磨き上げて綺麗にするから、それで終わりにしませんか?」
「本気か?」

「嘘で言うわけないじゃないですか。それに、週一でお邪魔するのは終わりですけど、私たちお隣同士なんで、一生会わないとかはないですから」
「けど、あんたが部屋に乗り込んで来るまで、ほとんど会わなかったじゃないか」

譲の言うことも一理あった。
ゴミ捨て場で会ったのも舞が待ち伏せしたからだし、騒音に腹を立てて乗り込んだのも舞からだった。
毎週日曜日に掃除のために会っているが、それ以外マンションの敷地内でも通勤途中、買い物の時すら会ったことがない。
そもそもの生活リズムが違うのだ。

「そんなのたまたまです」
「俺の面倒が嫌になったのか?」

首を横に振って否定する。

譲といるとムカつくけれど楽しい。
自分の理想と真逆にいる人に惹かれそうな予感がするからなんて、乙女的な思考を知られたくなかった。

「嫌とかじゃないです。けど、そろそろ私も自分のペースに戻したいなって」

心も身体も。

一人で平気だったあの頃に戻りたい。出来るだけ早く。
もし、譲との関係が終わって、一人が過ごす日々が辛いなら、母親が言う婚活に手を出した方が、女性のことを面倒だと言っている人といるよりまだ未来は明るい。
譲と過ごせたのだから、他の男の人とも一緒にいれるかもしれないし。
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