潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
「あははは。それそれ、その視線!」
「なに言って……」
「結城ちゃんは、その顔じゃないと。元気ないとからしくないよ。あ〜……」
ゴソゴソとポケットを探していた里崎は、「ごめん、今日はチョコ持ってない」と言った。
「え? なんでチョコですか?」
「だって、チョコ食べてる時少しニコッってするじゃん。チョコ好きなんだな、っていつも常備してるんだよ」
「私のためにですか?」
「そうそう、俺の右腕の結城ちゃんのために、ね」
ーー私のため?
微笑んでいる里崎を、まじまじと見つめる。
もしかしたら、さっきの冗談も里崎なりの気遣いだったのかもしれない。舞が少し元気がなかったから。
「ありがとうございます」と伝えたのと同時に、里崎の電話が鳴った。
ポケットからスマホを出した里崎は、ディスプレイを見て眉をひそめる。
「うわ、三枝部長からだ。この時間は、嫌な予感しかしねぇ……」
ちょっとごめん、と言い、里崎が外に出て電話で少し話した後、舞のもとに戻ってきた。
「戻って来いだってさ、助けて欲しいらしい」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。だって、あの部長だぜ?きっとどうにかなるでしょ。でも、なんか急いで終わらせないといけないから早く来いって、すごい剣幕だったけど」
「至急案件ですか? 役に立つかわからないですけど、私も行きましょうか?」
もしかしたら、今の里崎のように譲も急な仕事が入ったのかもしれない。
幸い、日曜日に最後の掃除をする約束をしている。そのときに謝れば、問題ないだろう。
バッグに手を伸ばすと、里崎に右手で制止された。
「結城ちゃんは、いいよ。友達と待ち合わせでしょ」
「でも……」
「その代わり、明日疲れてたら労って」
そんなことくらいならお安い御用だ。
でも、大変だと言うのに自分は、このままボーッと来るか来ないかもわからない人を待ち続けてもいいのだろうか。
「結城ちゃんの待ち合わせの相手見たかったけど、我慢する。またね」と、ひらひらと振って去っていった。
「なに言って……」
「結城ちゃんは、その顔じゃないと。元気ないとからしくないよ。あ〜……」
ゴソゴソとポケットを探していた里崎は、「ごめん、今日はチョコ持ってない」と言った。
「え? なんでチョコですか?」
「だって、チョコ食べてる時少しニコッってするじゃん。チョコ好きなんだな、っていつも常備してるんだよ」
「私のためにですか?」
「そうそう、俺の右腕の結城ちゃんのために、ね」
ーー私のため?
微笑んでいる里崎を、まじまじと見つめる。
もしかしたら、さっきの冗談も里崎なりの気遣いだったのかもしれない。舞が少し元気がなかったから。
「ありがとうございます」と伝えたのと同時に、里崎の電話が鳴った。
ポケットからスマホを出した里崎は、ディスプレイを見て眉をひそめる。
「うわ、三枝部長からだ。この時間は、嫌な予感しかしねぇ……」
ちょっとごめん、と言い、里崎が外に出て電話で少し話した後、舞のもとに戻ってきた。
「戻って来いだってさ、助けて欲しいらしい」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫。だって、あの部長だぜ?きっとどうにかなるでしょ。でも、なんか急いで終わらせないといけないから早く来いって、すごい剣幕だったけど」
「至急案件ですか? 役に立つかわからないですけど、私も行きましょうか?」
もしかしたら、今の里崎のように譲も急な仕事が入ったのかもしれない。
幸い、日曜日に最後の掃除をする約束をしている。そのときに謝れば、問題ないだろう。
バッグに手を伸ばすと、里崎に右手で制止された。
「結城ちゃんは、いいよ。友達と待ち合わせでしょ」
「でも……」
「その代わり、明日疲れてたら労って」
そんなことくらいならお安い御用だ。
でも、大変だと言うのに自分は、このままボーッと来るか来ないかもわからない人を待ち続けてもいいのだろうか。
「結城ちゃんの待ち合わせの相手見たかったけど、我慢する。またね」と、ひらひらと振って去っていった。