潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
「仕事とプライベートは違うんだよ。だから、休日は電池が切れたように何も出来なくなっちまう。それに管理会社の人が仕事は出来る男だって言ってただろ」
あの適当な管理会社の言うことは信用ならない、と思ったけれど、確かに言っていた。
それだけは正しかったのだ。
鞄に手を入れ櫛を取り出した譲は、崩した髪の毛を整える。
目の前にあらわれたのは、やっぱり憧れの三枝部長だった。
「連絡出来なくて悪かったな」
ブンブンと首を横に思いっきり振る。
「仕事って里崎さんに聞いてたので、大丈夫です」
今まで無礼な態度を取ってきたのが恥ずかしい。
俯いていると、ぐぅーと目の前からお腹の音がした。
パッと顔を上げると、バツの悪そうな顔をした譲は「腹減った。メシ」と不機嫌な声で言った。
眠い時に起こされるのと、お腹空くと不機嫌になるなんて子供みたいだ。
ロボットみたいって思っていた部長は、こんなにも人間味の溢れる人だったなんて思いもよらなかった。
「あぁー、食いっぱぐれるとか最悪だ。あの会社から電話さえかかって来なければ美味い料理食えたのに」
食事に必死な姿を見て笑いが込み上げてくる。
チタンの銀色のフレームに、アンマッチな口調。やっぱり、部長と譲さんが同一人物なんて言われないとわからない。
それに、舞と会うときはいつも裸眼だった。代わりに舞は、黒縁メガネをしていたけれど。
「もうお店閉まっていますよね?」
「じゃあ、帰り道、ファミレスでも寄ろうぜ。確かあったよな、角のとこ」
「私、食事しちゃったので、部長一人で行って来て下さい」
「はぁ? なんで一人でメシ食わないと行けねぇんだよ。付き合え」
「え、でも……」
「わかった、上司命令だ。一緒にメシ食うぞ。それなら付き合うしかねぇな」と、譲はニヤリと口の端を上げて笑った。
あの適当な管理会社の言うことは信用ならない、と思ったけれど、確かに言っていた。
それだけは正しかったのだ。
鞄に手を入れ櫛を取り出した譲は、崩した髪の毛を整える。
目の前にあらわれたのは、やっぱり憧れの三枝部長だった。
「連絡出来なくて悪かったな」
ブンブンと首を横に思いっきり振る。
「仕事って里崎さんに聞いてたので、大丈夫です」
今まで無礼な態度を取ってきたのが恥ずかしい。
俯いていると、ぐぅーと目の前からお腹の音がした。
パッと顔を上げると、バツの悪そうな顔をした譲は「腹減った。メシ」と不機嫌な声で言った。
眠い時に起こされるのと、お腹空くと不機嫌になるなんて子供みたいだ。
ロボットみたいって思っていた部長は、こんなにも人間味の溢れる人だったなんて思いもよらなかった。
「あぁー、食いっぱぐれるとか最悪だ。あの会社から電話さえかかって来なければ美味い料理食えたのに」
食事に必死な姿を見て笑いが込み上げてくる。
チタンの銀色のフレームに、アンマッチな口調。やっぱり、部長と譲さんが同一人物なんて言われないとわからない。
それに、舞と会うときはいつも裸眼だった。代わりに舞は、黒縁メガネをしていたけれど。
「もうお店閉まっていますよね?」
「じゃあ、帰り道、ファミレスでも寄ろうぜ。確かあったよな、角のとこ」
「私、食事しちゃったので、部長一人で行って来て下さい」
「はぁ? なんで一人でメシ食わないと行けねぇんだよ。付き合え」
「え、でも……」
「わかった、上司命令だ。一緒にメシ食うぞ。それなら付き合うしかねぇな」と、譲はニヤリと口の端を上げて笑った。