幼馴染に恋をして(心愛ver)
中学一年生クラスメイトとして
登校初日。
私は彼が出て来るであろう時間の10分前からエレベータの前に
耳を研ぎ澄まして立っている。
微かに「カチャ」と鍵が回された音がした。
その瞬間にエレベータボタンを押す。
ガチャっとドアの開く音がするが私はそちらを見ないでエレベータを見つめる。
そしてエレベータが開いて乗り込む直前に
今気が付いたような素振りで振り向くと彼が歩いてきている。
開くボタンを押しながら腕時計をチェックする。
「おはよう。よく眠れた?」
「おはよう。何時もと変わらない・・」
「藤原は緊張しないの?」
「しないな~」
「私は緊張する。友達出来るかとか・・」フッと彼が笑う
「今、馬鹿にしたでしょう?」
「いや、友達って・・」
「だから馬鹿にしているでしょう?」
「斉木の友達のカテゴリーって何?」
「挨拶したり、話したり、教科書借りたり?」
「じゃあ、俺達普通に友達じゃない?」
私はドキっとした。彼の友達発言もそうだったけれど、
僕がいつの間にか俺になっていた。
隣を何時もの様に歩きながらいつの間にか私より身長が高くなっていた・・
「藤原、いつの間にか私より身長が伸びている」
「当たり前だろ・・女の子の方が成長期は早いの・・
これから俺はドンドン伸びるから」
と笑う彼は学ランがとても似合っていた。
彼は中学生になって以前よりも話してくれるようになっていた。
それは私を友達と認識してくれたからなのだろうか?
それとも・・胸の高鳴りは小学校の時とは違っていた。
そして私は登校時の隣を確保すると共にクラスメイトも手に入れた。