記念日はいつもバレンタイン
「でも、すぐ引き受けてよかったって思うたよ。優奈、いつも一生懸命で、俺も真剣に、この子になんとか理解してほしいって思うようになった。そんで、高校の数学の教科書引っぱり出してきて必死で予習して。教えること自体がめっちゃおもろいなぁって思えるようになったしな」
「ごめん。出来の悪い生徒で」
俊兄ちゃんはわたしの頭に手をやって、わたしの目をじっと見つめた。
「そんなことないで。優奈は見る見る成績も上がったやん。自慢の生徒やったよ」
「俊兄……」
「優奈」
俊兄ちゃんは改めてわたしの手を取った。
「遠距離になって寂しい思いさせるかも知れへんけど、俺と付き合ってくれるか?」
真剣な眼差しで、彼はそう言った。
「嬉しい、俊兄ちゃん」
そして、俊兄ちゃんはわたしを抱き寄せた。
それから、わたしの口の端に指で触れた。
「ん……?」
わっ、き、キスするの?
こ、心の準備が……
胸に抱かれたままの姿勢で、わたしは彼の顔を見上げた。
すると俊兄ちゃんは、ふっと笑みをこぼした。
「ここ、ケチャップついてんで」
「えー? 嘘! やだ」
彼の腕から逃れようとしたけど、俊兄ちゃんは離してくれなかった。
そして、わたしの顔に手を添えて、言った。
「大丈夫。俺が取ったるから」
目の前で、火花がスパークした。
そして、その宣言どおり、彼は唇を寄せてきた。
口の端に届いた彼の唇は、それから、わたしの唇に重なった。
大好きな人との、初めての甘い口づけに、わたしは酔いしれた。
「ごめん。出来の悪い生徒で」
俊兄ちゃんはわたしの頭に手をやって、わたしの目をじっと見つめた。
「そんなことないで。優奈は見る見る成績も上がったやん。自慢の生徒やったよ」
「俊兄……」
「優奈」
俊兄ちゃんは改めてわたしの手を取った。
「遠距離になって寂しい思いさせるかも知れへんけど、俺と付き合ってくれるか?」
真剣な眼差しで、彼はそう言った。
「嬉しい、俊兄ちゃん」
そして、俊兄ちゃんはわたしを抱き寄せた。
それから、わたしの口の端に指で触れた。
「ん……?」
わっ、き、キスするの?
こ、心の準備が……
胸に抱かれたままの姿勢で、わたしは彼の顔を見上げた。
すると俊兄ちゃんは、ふっと笑みをこぼした。
「ここ、ケチャップついてんで」
「えー? 嘘! やだ」
彼の腕から逃れようとしたけど、俊兄ちゃんは離してくれなかった。
そして、わたしの顔に手を添えて、言った。
「大丈夫。俺が取ったるから」
目の前で、火花がスパークした。
そして、その宣言どおり、彼は唇を寄せてきた。
口の端に届いた彼の唇は、それから、わたしの唇に重なった。
大好きな人との、初めての甘い口づけに、わたしは酔いしれた。