契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 そして結婚してからは、危なっかしくて、予想外の行動ばかりの渚から目が離させなくて、とてもじゃないが、それどころではない。
 と、そこまで考えて、渚のことが頭に浮かび、和臣は思わず笑みを浮かべた。とりあえず打ち合わせのうち重要な部分は終わった。後は適当に切り上げて帰ろう。
 今からなら、もしかしたら渚が起きている時間に帰ることができるかもしれない。
 だが、彼らが発した次の言葉に和臣は眉をひそめた。

『でも本当のところどうなんですかね、瀬名先生。やっぱり打算があっての結婚なんでしょうか』

『そりゃそうだろう。じゃなきゃおかしいよ。女子アナどころか女優だってよりどりみどりなのに、わざわざ普通の女を選ぶか? しかも上司の娘だぜ。打算以外のなにものでもないよ』

 和臣の襖にかけていた手に力がこもった。

『そうかー、だったらうらやましいなぁ、奥さん』

『なんでだ?』
< 206 / 286 >

この作品をシェア

pagetop