契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 渚はこくんと頷いた。
 千秋が呆れたような声を出した。

「二十四歳にもなってって……そんな全女子を敵に回すようなこと、よく言えるわね」

 でも祐介の言うことが本当なら、父がその心算だったとしてもおかしくはないということか……。
 これはますます事態は複雑になってきたぞ、と渚は思う。
 もちろん渚はまだ結婚などするつもりはない。だとしたら、専門学校へ行くために父を説得するというミッションの他にもう一つ、父からの縁談を回避するというミッションまで課せられているということだ。
 あくまでも、祐介の予想が当たっていたら、だけれど。
 あぁ、前途多難……。
 カサゴを次々と捌きながら渚は長いため息をつく。
 一方で、実際にその見合いで幸せな結婚をした千秋の方はどこかわくわくとして夫を見た。

「ねぇ、もしそうだとしたら、相手はやっぱり弁護士なのかな。祐くん、誰だと思う?」

「そうだなぁ」

< 31 / 286 >

この作品をシェア

pagetop