契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
だが一年目の終わりに地方で農業を営む父親が倒れて実家は経済的にも人材的にも一気に傾いた。
当時は家業のほとんどを父親が担っていて、実家を継ぐことが決まっていた兄はまだ働き始めて数年も経っていなかったのだから。
兄からは大丈夫だから心配するなと言われたが、どう考えてもそれは無理な話だった。
身体が動かなくなってしまった父親の介護と、気落ちする母親、米農家としての仕事、それらすべてを兄だけに任せるわけにはいかず、和臣は田舎へ戻ることにしたのだ。
それを龍太郎に報告した時のことを和臣は生涯忘れることはないだろう。
龍太郎は大学院を退学すると言う和臣に向かって言ったのだ。
『君は必ず弁護士になれ』
と。
それは無理な話だと和臣は思った。もちろん大学院をやめたとしても、司法試験を目指す方法は他にもある。だがその時は田舎に帰る自分の先にどんな未来が待っているのか、なにも思い描くことができなかった。
当時は家業のほとんどを父親が担っていて、実家を継ぐことが決まっていた兄はまだ働き始めて数年も経っていなかったのだから。
兄からは大丈夫だから心配するなと言われたが、どう考えてもそれは無理な話だった。
身体が動かなくなってしまった父親の介護と、気落ちする母親、米農家としての仕事、それらすべてを兄だけに任せるわけにはいかず、和臣は田舎へ戻ることにしたのだ。
それを龍太郎に報告した時のことを和臣は生涯忘れることはないだろう。
龍太郎は大学院を退学すると言う和臣に向かって言ったのだ。
『君は必ず弁護士になれ』
と。
それは無理な話だと和臣は思った。もちろん大学院をやめたとしても、司法試験を目指す方法は他にもある。だがその時は田舎に帰る自分の先にどんな未来が待っているのか、なにも思い描くことができなかった。