ただ、一緒にいたい
会計を済ませ、メッセージを入れるのに少し時間がかかるとの事なので、腹ごしらえをしようと近くのイタ飯に来ている。

「楽しみだね!」
「うん、そうだね。あずちゃん、さっきのメッセージって……」
「私達にとって、大切な言葉でしょ?」

愛月が店員に告げたメッセージ。

“Never leave”―ずっと離れない―だった。

「そうだね!」

食事が終わり、指輪を取りに行き店を出た。
その場ですぐお互いに指輪をはめ合った。

「素敵!綺麗!彰くん、ほんとにありがとう!」
愛月が惚れぼれしながら、左手の薬指を見ている。
「どういたしまして、あずちゃん!」
「彰くんのも見せて!」
そう言って二つを見比べている。

可愛い………
「ほんと綺麗だね!」
「うん、とっても可愛い…」
「だよね!って可愛い?指輪が?」
「俺が言ったのは、あずちゃんのことだよ!」
「え?もう////」


「失礼いたします、彰様」
「なんだ?」
「ボスからお電話が……」
岸が耳打ちする。
俺達のデート中、常に岸達三人が近くでついている。
愛月は不思議そうだったが、今重要な薬を制作中とかなんとか訳のわからない理由をつけて、納得させている。
もちろん、完全に納得してないだろう。
でも愛月は“信じてるから”とそれ以上聞かない。
それがどんなに助かるか………。
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