Favorite Love~本命は一番近くにいた~
亜輝さん!

思わず声に出しそうになって、口をふさいだ。

なんか言わないほうがいい気がした。

亜輝さんもこっちを見て、言わないようにって目で合図してる気がしたから。

とりあえず流れでわたしは一番手前の席に座った。

亜輝さんの前にはこの会を主催した先輩が座って、亜輝さんと親しそうに話していた。
もしかしたら先輩と亜輝さんが主催なのかも?

「ねぇ。結菜ちゃんだっけ?」

わたしの前に座ったのはピシッとスーツを着こなした30代前半くらいに見える男性。地位もお金もありそうな人だ。

「はい。そうです。林田さんですよね?」

「よく覚えてるね。結菜ちゃん仕事できる子だね?」

「いえいえ。まだ1年目なので半人前なんです。あ、これいかがですか?」

目の前のお皿に盛られているお肉とサラダををとりわけた。
斜め前の男性にもとなりの彩音にも同じようにとりわけた。

彩音も自分の目の前のお皿をとりわけている。
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