Favorite Love~本命は一番近くにいた~
あったかい笑顔。
テレビで見る営業スマイルとも、最初の時に見たつくり笑顔ともちがう。
ほんとはこういうふうに笑う人なのだ。

「それで?何があったの?」

そのまま視線をそらさずにわたしを見たまま亜輝さんが言った。

そのあったかい笑顔を見たら、もう何か思い詰めていたものが…はりつめていた想いがプッツンと切れたかのようにあふれてきた。

「好きな人がいるんです。」

「え?」

亜輝さんは不思議そうにわたしを見た。

「わたしバカだから気づいてなかったんですけど…あんな女たらし絶対対象外だと思ってたんですけど…どう考えても好きなんです。」

そしたら亜輝さんはキョトンとして、そして笑った。

「うん。」

「今理輝には大切にしてる彼女がいて…一緒に住んでるみたいだし、わたしの出る幕はもうないってわかってるんですけど、それでも…好きで…」

そして言葉を切って、涙を拭いた。
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