エリート外科医は最愛妻に独占欲を刻みつける
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結婚式は、してもしなくてもいい。そんな気持ちがどこかにあった。実際、私たちは婚姻届を出してから一年も経ってからの式だった。
だけど、実際にやってみたらやはりよかったと思う。
愛を誓う、その行為はもちろん式などなくてもできるけれど、感動や実感は格別だった。
式の後、私はずっと感動して泣き通しだったのだ。それは、その日の初夜の時も治まらず……。
「泣きだしたら止まらないとは聞いてたけどな。初夜の泣き顔はかわいかった」
大哉さんがしみじみと言いながら、ソファで私を膝に抱いている。
「だって、なんかもう、意味もなく出てきちゃうんだもん……」
結婚式からまだ三週間ほどしか経っていない。大哉さんはよほど初夜の泣き顔が気に入ったのか、結婚式の思い出話が出る度に、最後はいつも初夜の話になる。
確かに、あの日の私はずっと泣いていた。だけど、私も覚えている。彼は終始うれしそうに私の涙を拭っていた。
挙句の果てに、いたしている真っ最中にそれはそれは蕩けそうな笑顔で言ったのだ。
――泣いてもいいから、続けていい?
感動、もしくは幸せの涙であったことには違いないが、それはないんじゃないだろうか……!