江藤くんはループしがち
「もしかして、病院?」


あたしの後ろからついてきた里香が呟くように聞いてくる。


「そうかもしれない」


バスはつい1分前に出たばかりだ。


江藤君はこの時間のバスに乗るために大急ぎで教室を出て行ったのだろう。


次のバスが到着するまで15分あるが、行き先はわかっている。


「次のバスで病院まで行ってみよう」


あたしは里香へ向けてそう言ったのだった。
< 34 / 121 >

この作品をシェア

pagetop