クールな副社長の秘密~偶然知ったら溺愛されて妻になりました~
 桃華は、11時ちょうどにドアに掛かるプレートをOPENにした。

 そして一組目のお客様が入ってくる。

「いらっしゃいませ」

 入店するお客様に向け声を掛けた。

 入って来たのは、若い少し派手な女性二人組。そのニ人からいきなり強烈な言葉が掛けられた。

「あんた誰?」「いつものイケメンのお兄さんは?」

「……」

 どうやら、樹を目当てに来ているお客様のようだ。

「ちょっと聞いてる?」

「はい。本日より接客は私に任されておりまして。今は、製造していますので出てくることはできません」

「「え~」」納得出来ない二人。

「申し訳ございません」

 もちろんこのやり取りは裏の樹にも筒抜けだ。樹自身も、お客様には強く言えないため、毎週彼女達には困っていた。

 ただ桃華に迷惑が掛かるなら、いつでも出られるようにとスタンバイする。

「ねえねえ。イケメンのお兄さんと知り合い?」

「ただのアルバイトと職人の関係です」

 桃華の毅然とした態度に媚びている所は見られず、絡みづらい二人。

「えっ、あのお兄さんが作ったパンなの?」

「そうですよ。イケメンのお兄さんが作ったパン、心して味わって下さいね」

「「プッ」」

 桃華の発言に二人は思わず笑う。

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