平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
「ほら、お寿司食べよう」

ひとみにお皿とお箸を渡される。

「明日香、今までだって彼には恋人の噂があったじゃない。今回もきっとそうよ」

「……う……ん」

「わぁーこのいくら、めちゃくちゃ美味しいわ。明日香も食べてみて」

ひとみは私が持つお皿からイクラの軍艦巻きをお箸でつまみ、私の口に持ってきた。そうされては口を開けるしかなくて、差し出されたそれを食べた。

たしかにいつも食べるいくらよりも美味しく感じた。でも、まだショックが尾を引いてその感動を伝えられない。

私の口から出てくるのは重いため息だ。

「ひとみ、私にかまわずまだ見ていないショーケース観に行っていいよ」

食べ終わったひとみは何となくうずうずしているように見えて勧めた。

「じゃあ、デザートは戻ってきたらにしましょう。向こうにかっこいい人がいたの」

にっこり笑う彼女に商品ではなく、そっちだったのかと、苦笑いを浮かべる。

「うん。行ってきて」

私はひとみを送り出し、飲み物を運ぶホテルスタッフを呼び止めてシャンパンをいただいた。

ぼーっと突っ立ってシャンパンを飲み、視線は円城寺さんを探してしまう。


「ねえ、君はひとりで来たの?」
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