平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
「その素っ気ないところもいいね。今時めずらしいよ」

「放してくださいっ!」

しつこい彼に声を荒げ、腕をブンと振り上げた。その動きが大きかったせいか、手を離した彼の反動で、後ろによろけた私は誰かにぶつかった。脚が何かを踏んだようだった。

「あっ!」

背後から両腕を抑えられた手に驚き振り返った。

「すみません! 汚れませんでしたか?」

頭をガバッと下げた目線の先にピカピカの黒革靴が目に入る。

「大丈夫だ。それよりも」


心地いい低音の声に、顔を上げた私の目が大きくなった。

転ぶのを免れたのは円城寺さんのおかげだったのだ。

彼は今、私をナンパしていた男性へ冷たい視線を向けていた。
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