平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
信じられないことに円城寺さんは私の隣に腰を下ろして、コップを渡してくれる。

「あ……ありがとうございます」

心臓の高まりは収まりそうもなく、気持ちを落ち着けようと内心必死になっている。

「飲んで」

「いた……だきます」

私はコップを口元に持ってきて、ゴクリと水を喉に通した。それでも鼓動はまだ激しく波打っている。

何か話さなきゃ。

まだ手が増えていて、コップをテーブルの上へ置いた。

「あ、あの。助けてくださりありがとうございました」

「どうってことない。このパーティーの主催者である日本支社長は友人だから、この件は伝えておく」

「いいえっ、言わないでください。盛大なパーティーを台無しにしてしまいます」

大事になってしまい当惑する。

「かまわないだろう。彼はそういったことを重要視している。それでは」

円城寺さんが椅子から腰を上げるのを見て、気づくと私は「あ、あの!」と呼び止めていた。
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