平成極上契約結婚【元号旦那様シリーズ平成編】
十五時に銀行のシャッターが閉まり、給湯室の冷蔵庫に冷やされていたアイスコーヒーを自分のカップに入れて席に着き、出入金の伝票整理を始める。

銀行が定休日前の金曜日は忙しい。伝票がいつもの倍近い。

ひとみがいつになく張り切って仕事をサクサク進めており、定時を三十分過ぎての退勤となった。

更衣室で制服から私服に着替えていると、先に着替え終わっていたひとみが腕組みをして私の前に立った。

「明日香、その服じゃあ……」

私が今日着ているのは黒のノースリーブのA型のワンピースだ。ウエストの前で同じ布でリボンになっている。

自分の姿を見下ろして、ひとみに首を傾げる。

「ダメかしら……?」

「ちょっと浮いちゃうわね」

「じゃあどこかで洋服を買って着替えるわ」

「それがいいわね! 六本木へ行くからいい店があるわ。行きましょう」

ひとみはロッカーを閉めた私を促して、更衣室の出口へ歩を進めた。
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