転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
 と、なぜか自然に先生役になっているフレッドとサーシャの元に、紙を持っていく。
「え?もうリザークは解いたの?」
 サーシャがびっくりした顔をして、3問目を解いている手を止めた。
 ん?だって、簡単だよね?
「ああ、もしかして、家で一回解いてみた?」
 と、フレッドが、5問目を解き終わって顔を上げる。
 はい?
 たぶん、普通の速度だけど?
「全部、合ってる。でも、これ何?」
 フレッドが、メモしたひっ算の式を指さした。
「え?まだ習ってないっけ?」
「まだ?いや、高等部の教科書にも載ってないけど」
 まじかっ!
 ひっ算ないの?そりゃ不便だわ。
 ちらりとフレッドやサーシャの紙を覗き込むと、それぞれ別々の何かが書いてある。自分なりの計算方法?人によってバラバラ?なの?え?
■61
「でーきたっ!」
 マージが持ってきた。全問正解。
「へへ、どうだ。これで、俺が本当に計算速くてよくできるの分かっただろう!」
 誰に向かっての主張なのか。ってか速い?いやいや、ずいぶんゆっくりと……。
 え?
 他の子の様子を見る。
 ……おっそ!
 めちゃめちゃ遅い!
 なんだよ、この遅さ……。って、
 指かっ!指使って計算してるじゃないかっ!ここは、小学校1年生の教室かよっ!ってか、2年生になると、机の上じゃなくて、机の下で指をこっそり使うんだぞ?それくらい、2年生になるころには、もうみんな指を使わなくて……。
 あ、あの子指つかってな……って、指の代わりになんか点とか書いて数えてるっ。
 あっかん、何、これで、小学部卒業できたな!
「はい。できました」
 一人の女の子が紙を持ってきた。
「結構速いね」
 フレッドに声をかけられた子は、少し照れたように笑う。
「うちは、商店なので計算は叩きこまれてるんです」
 はい?
 叩き込まれて、このスピード?
 いや、そんでもって、このスピードで速い?
「なめとんかぁーーーっ!文章題だろうがなんだろうが、すべての基本になる計算がこんなに遅くては話しにならんーっ!」
 そういう子は、塾だよ。塾に通わせねばならぬ。く〇ん式だ。同じ計算繰り返させるんだよっ。そろばんでもいい。
 いや、違う、最近は小学校でも使われるじゃないかっ。
「ちょ、いきなりどうしたリザーク」
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