転性悪役令嬢~昼は少年、夜は少女~破滅フラグ回避頑張ります
 二けたとか三桁とかの足し算引き算なんてちんたらやってる場合じゃない。もっと基礎を固めないと話にならない。
「フレッド、一桁の足し算の問題出して。私とマージとサーシャが、答えるから。誰が一番早くこたえられるか競争ね!」
「え?いいですけれど、私、計算は得意ですわよ?」
「俺も、一桁なんて楽勝すぎるぞ?」
 クラスメイトの皆が手を止めて注目する。
「じゃぁ、問題出すね。5+8」
「13」
 !
 問題が言い終わるのとほぼ同時に答える私。
「え?あ、本当だわ。13で合ってますわ」
「次、7+9」「16」
 めちゃ食い気味に答えを言う私。
「は、速っ。おい、リザーク、お前すげぇな、なんだよ、その特技!」
「特技じゃないっ。こんなの誰だってできるようになる。計算するんじゃないんだよっ。1+1から9+9は、どちらかと言えば答えを覚えるんだ。ボクの顔を見るとリザークという名前が出てくるように、8+8を見ると、16という数字が思い浮かぶように、覚える。いちいち計算なんていらないっ」
 九九を覚えるのと一緒だ。ただ、九九みたいに便利な覚え方がないだけで。
「覚える?あ、そういえば……3+3くらいまでは私もそういう感覚かも……」
 一人が口を開く。
「どうやって覚えるんだよ?」
「そんなの、繰り返し繰り返し問題解くしかないよっ!ってことで、く〇ん式!と行きたいところだけど……都合よくプリントないし」
 あれは大量のプリントがいる。
「簡単に大量に足し算の問題を作って計算練習をすると言えば……」
 紙に線をじゃっ、じゃっ、じゃっと引く。縦と横に6本。それから数字を左側と上側のマスに書く。
「100マス計算だっ!」
 いや、100マスないけどね。指使ってる人間にいきなりの100マスは厳しかろう……。
「縦と横の数字が交わっているところに、その二つの数字を足した数字を書いていく。ひたすら足し算の練習をするためのものだよ」
■62
「へー、面白そうだな」
 マージが食いつく。
「リザークはこれで計算の練習を……」
「これを使えば、私ももっと早くなるのですわね」
 フレッドとサーシャも食いついた。
 他の生徒には取り合えず縦線横線を引かせる。初めは数字を1~5の間のものを縦横に書かせる。
「じゃぁ、みんな書いた?競争だよ。よーい、どんっ」
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