藍先輩の危険な溺愛レッスン。
私から見れば、怖いの一言に尽きる。


「愛菜ちゃん、あのっ、俺と今度デートを」


恥ずかしそうに頭の後ろをかきながら誘ってきた。


「ごめんなさいっ」


すぐさま頭を下げて全力でお断りする。


「いや、まだ最後まで言ってないよ」


「ごめんなさい」


「せめて友達から」


でも権田さんはなかなか諦めてくれない。
毎日こんな感じなんだ。


ごめんなさいってもう一度言ったつもりだったけど声が出ない。


恐怖のあまり、話してる途中から声が出なくなるのはいつものこと。


だから、いつまでもちゃんと断れない。


誠心誠意、謝ってなんとか許してもらいたいのに。


「どうしたら付き合ってくれる?」


「……」


どうしょう、どうしょう。


なんて答えたらいいかわからない。
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