運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
「寝るなよ?」
「・・・ん・・・」
目を閉じたままの綾乃に微笑みながら、悟はマッサージを続けた。

少しして、悟が綾乃のお腹にそっと触れる。

気づかないふりをして、目を閉じている綾乃。

悟も何も言わない。

でも・・・綾乃はじんわりと悟に触れられているお腹が温かくなるのを感じた。
きっと悟は心の中で赤ちゃんに何かを語り掛けているのだろう。そして、それにこたえるように温かくなるお腹に、綾乃は見えない何かで繋がっていることを感じていた。


「そろそろ上がろう。な?」
悟は綾乃を支えて湯船から出ると、綾乃の体を拭いて、髪を乾かし始める。
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