運命が変えた一夜 ~年上シェフの甘い溺愛~
手を拭いて悟はレジに立つ。
「おいしかったです」
「よかった。また来てね。」
「はい。」
何となく二人の間に距離ができた。

「これ、この前お借りしたサンダル。ありがとうございました。」
綾乃は用意していたお礼の品をそっと隠し、サンダルだけ悟に渡した。

「どういたしまして。また必要になったらいつでも言ってね」
優しく微笑む悟は今日も温かい。

「これ、いただいて行ってもいいですか?」
手書きの予約席のカードを悟に見せると「もちろん」と微笑む。
「ありがとうございます。ごちそうさまでした。」

距離が近づきすぎないように綾乃は予防線を張りながら会釈すると、悟に背を向けて振り返らずに帰宅した。
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