罰恋リフレイン
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◇◇◇◇◇



今日の電話はまだ昼過ぎだというのに3回目。LINEのメッセージが6通。
昨日は全部で電話が5回、LINEが9通だからこの後もまだ蒼くんから連絡が来るのだろう。
無視していればその内止まると思った。6年前のように。
けれど今回は何日も通知が止まない。

はっきり拒絶したはずだった。嫌いだと言ったのにどうして彼は私にこだわるのか。

煩わしい通知が来ないように蒼くんをブロックしてしまえばいいのに、その勇気が出ない。彼が連絡してくることを諦めてくれればいいのにと願う。
私から完全に彼と離れることができるのにそうしないのは私もまだ彼に惹かれている。どうしても忘れられない。すごく傷ついたというのに。

帰りの電車でLINEのメッセージを受信する。また蒼くんかと思って画面を見ると送り主は香菜だ。

『夏城くんと何かあった?』

そういえば香菜には蒼くんとのことをあれからほとんど話していなかった。

『翔の方に色々と連絡来てるよ』

続けて送られてきた内容に顔が引きつる。
蒼くんは翔くんに何か言っているのだろう。
私の愚痴とかかな。翔くんは香菜の旦那さんなんだし、いい気しないな……。

『あのね、翔も薫に話があるんだって。近いうちに会えない?』

私に何の用だろう。
翔くんなら私と蒼くんが付き合った経緯も再会してからのことも知っていそうな気がする。
蒼くんと付き合ったのが復讐だってことを責められるのかな? それとも蒼くんが翔くんを通して私にコンタクトを取る目的?

いずれにしても蒼くんの話だったら会いたくないのに、香菜にこう言われては断れないじゃないか。

『正直に言うと翔くんに会うのも覚悟がいるんだけど、今週末なら大丈夫』

渋々そう返信をする。

翔くんにだってほっといてほしい。私のことなんて話題にしないでほしいのに。









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