エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「……ほんと、こっちの気も知らないで」
だけど、脱力している私を見た近衛先生は、突然呆れたようにため息をついた。
「ハァ……」
「こ、近衛先生?」
「そうやって、俺を振り回して楽しいか? 俺が、これまでどれだけ必死に理性を掻き集めて、自分を抑えていたか……百合は、何もわかっていないんだな」
「え……?」
言葉と同時に、近衛先生の力強い腕に抱き寄せられた。
ドクン、ドクンという鼓動の音が鼓膜を揺らす。
腕の中で顔を上げれば、視線同士が交わった。
私は久しぶりに近衛先生のきれいな瞳に見つめられ、思わず心臓を高鳴らせた。
だけど近衛先生は私を見つめたまま、なぜか切なげに眉根を寄せる。
「百合、ごめん、限界みたいだ」
「……限界?」
「本当に、すまない。俺は百合を応援すると言ったけど、今の状態で待っているのは、正直つらい」
思いもよらない言葉に、私は目を見開いた。