エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「とりあえず、入学試験が終わるまでは待つべきかとも考えた。だけど、百合がひたむきに頑張っているときに声もかけられないような関係は、俺が望んでいた形ではない」
断言されて、胸が痛んだ。
私だって、【勉強に関すること】だけを考えたら、近衛先生と同じ気持ちだったからだ。
私たちは、十代の受験生じゃない。それなりの経験を積んだ大人だ。
勉強のために離れるなんて敢えて宣言しなくても、大人として分別をわきまえることができたはず。
「百合からメッセージをもらってしばらくして、俺は、百合が俺を避けているんじゃないかとも考えた」
「そ、それは……」
「そう思うと坂下は、思い悩んでいる俺を見兼ねて、助け舟を出してくれたのかもしれないな。実際、俺も百合が何を考えているのか、わからなくなっていた」
私を抱きしめる腕に力がこもった。
私が何を考えているのかわからなかったって……。
でもそれは、私だって同じ気持ちだった。