エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「百合は、本当は俺との関係を終わりにしたいと思っているのか?」
真っすぐに目を見つめられたまま尋ねられ、私は思わず下唇を噛み締めた。
「そ、それは、近衛先生のほうじゃないんですか?」
「俺が?」
「だ、だって、近衛先生には婚約者がいるんでしょ?」
「……婚約者?」
「そうです、梨沙子さんですよ! 私、ふたりが通用口で話しているのを偶然聞いてしまって……。病院の人たちも、梨沙子さんが近衛先生の婚約者で、ふたりは家柄的にも釣り合っているって言ってました! だから私は……それが事実なら潔く身を引かなきゃって思って……っ」
段々と語尾が小さくなった。
目にはジワジワと涙の膜が張って、近衛先生の顔を見ていられなくなった私は、まつ毛を伏せた。
……本当は、こうなるのが怖くて、いっそのこと自然消滅してしまおうと思ったんだ。
近衛先生の顔を見たら冷静ではいられなくなる。
それくらい、自分が近衛先生に心惹かれていたことを、私は自分が一番良くわかっていた。