エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「ごめんなさい……。私……本当に、本当に、ごめんなさい」
途切れ途切れになりながらも、私は必死に言葉を紡いだ。
「私だって本当は話を聞いてすぐ、近衛先生に確認しようと思いました」
「だったら……」
「でも、今の私じゃ、〝私を選んで〟なんて、とてもじゃないけど言えないってことに気がついたんです。だって、誰がどう見ても、近衛先生の隣にふさわしいのは梨沙子さんだもん……」
それまで堪えていた涙が、とうとう目からこぼれ落ちた。
慌てて隠すように額を近衛先生の胸につければ、余計に涙があふれて止まらなくなった。
「それくらい、今の私は何も持っていないんですよ。近衛先生にも、何もあげられるものがない。近衛先生を、支えることもできないんです」
「百合……」
「だから、せめて、学校に受かってからって思って……っ。まず、私はスタートラインに立たなきゃって思ったんです。だから、勉強に集中したいから連絡を控えるっていうのも、私なりのケジメと意地だったんです……っ。本当に、すみません」
それしか梨沙子さんに対抗しうる手段がない自分を情けなくも思った。
でも、それが今の私。近衛先生の隣は遠くて、走っても走っても追いつけない。