エリート外科医の灼熱求婚~独占本能で愛しい彼女を新妻に射止めたい~
「……百合は、間違ってる」
と、不意に口を開いた近衛先生は、下を向いた私の顎を掴んで押し上げた。
「そもそも、俺が百合を追いかけた。そして、百合が俺を選んだんだろう?」
「え……?」
「違ったか? 少なくとも俺は、百合の心を自分に繋ぎ止めるにはどうすればいいか、今も必死に考えてる」
そう言った近衛先生の親指が、私の目尻に浮かんだ涙を拭った。
「俺は、現時点の百合が好きだ。これから先も、俺と同じ時間を歩んでいる、〝そのときの百合〟に何度だって心を奪われるんだという確信がある」
フッと口元を緩めた近衛先生は、私の額にキスをした。
「なぁ、百合。もう、俺と結婚してくれない?」
「け、結婚……?」
「そう。今はまだプロポーズの予約として受け取ってくれてもいい。でも、予約をしておかないと俺が不安なんだ。だってまた、こんなふうに百合に離れられたら、もう俺が耐えられないから」
そう言うと近衛先生は、今度は私の左手の薬指にキスをした。
「だから、いつか百合の心が決まったときに、俺と結婚してほしい」
真っすぐに目を見て伝えられた言葉は、キラキラと輝いていた。
本当に、夢を見ているみたい。こんなに素敵な人に今、プロポーズされているなんて……。とてもじゃないけど、信じられない。