クールな副社長はウブな彼女を独占欲全開で奪いたい
「それは縁がなかったなあ」

「縁、ですか?」

「生きている間で巡り合える人間なんて、限られているだろう。すべて巡り合わせ。またいい人に出会えるさ」

 はっはっ、と大きな口を開けて笑う姿に、心がじわりと温かくなっていくのを感じた。

 言葉ひとつで相手の心を明るくさせる。私もそんな人になりたい。

 毎日ここでたくさんの人たちと触れ合い、私は成長させてもらえているのだと実感する瞬間だ。

 眩しいものを見るように湯川さんを眺めたところで、横山さんをはじめとしたいつもの集団が姿を現した。

「皆さんおはようございます」

「おはよう白峰さん。今日もいい笑顔ね」

「本当ですか? 嬉しいです」

 軽くなった心だと笑顔も自然と柔らかくなるのだろう。業務に支障が出ないように、やはり私生活を整えないといけないと改めて考えさせられた。
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